生産者来日レポート 24年11月 バルフォア・ワイナリー

バルフォア・ワイナリー(ハッシュ・ヒース・エステート)

駐日 英国大使館 セミナーレポート

バルフォア・ワイナリーは、2002年にワインを愛する当主、リチャード・バルフォア・リンと、妻レスリーが、「世界のトップクラスに並ぶようなイングランド産ワインを生み出す」という目標のもと切り拓いたワイナリーです。
創業時から、ハッシュ・ヒース・エステートという会社名でワインを作っていましたが、現在は主要ブランドから、「バルフォア・ワイナリー」という名称を名乗っています。

バルフォアから営業マネージャーの、アダム・ウイリアムスさんが来日し、駐日英国大使館と、株式会社ソムリエでセミナーが実施されました。
今回は、セミナーの内容をご説明します。

【イギリスワインの近況】

・(イギリスでは)南部のエリア。ケント州とハンプシャー州が中心。ロンドンから100㎞、車で45分~60分。毎年4万人が訪れる。
・英国国内の投資以外にも、テタンジェ、ポメリーやジャクソンなど、シャンパンメゾンの投資も増えている。
・直近のイギリスのヴィンテージについて
2021冷涼、2022猛暑、2023降雨量多 と続いたが2024年は寒暖差、降雨量がすべてそろった歴史的ヴィンテージ

【バルフォアワイナリーについて】

・ケント州のほかに、一部サセックス州に畑を持っており、生産量は年間50万本。
・70%がスパークリング、30%がスティル。(スティルに力を入れている。)
・ブルゴーニュクローンのブドウを使っているのが特徴
・シャンパーニュに使われる品種以外にも、アルバニーリョ・ガメイ・ソーヴィニヨン・ブランもつくっている
・少量生産のアプローチ。小さなタンク(10,000Lが標準)で仕込み、ブレンドする。
・化学肥料や除草剤を極力使わない持続可能な農法。(イギリスは雨が多いので完全なオーガニックは難しい。)
・ブリティッシュエアウエイズ、3つ星レストラン「スケッチ」のハウスワイン。

【今回のテイスティングキュヴェ】

① バルフォア 1503 クラシック・キュヴェ

1503年はハッシュヒースが建てられた年。
フルーツの味わい。ブルゴーニュのフルーティさと香ばしさ。
同じ価格帯のシャンパンと比較しても優れているのではないか。
一番リーズナブルなイギリスの泡。できるだけ価格を下げた。
WA90点 エンスージアム95点 ラベルが変わる。

〇 エディション東京 矢田部 匡且(やたべ まさかつ)ソムリエ コメント

・バランスよい、まろやかでフレッシュ、非常にクオリティが高い
・色合いはベージュがかっており、黒ブドウの存在感も感じる
・アロマが豊かでモカっぽさの奥にトースト香も感じる
・フィッシュアンドチップス/甲殻類(セビーチェ)/ホタテのタルタル/ブイヤベース等と合わせて

② バルフォア リバティーズ・バッカス ハッシュ・ヒース・エステート 2022年

ワイナリーの人気者の犬、ダルメシアンの「リバティ」の名を冠する白ワインです。
華やかな香りを持つバッカス種を100%使用して造られました。
イギリスでは、バッカスは非常にポピュラーな品種です。
なんとタンクを7つに分け、それぞれ別の酵母(一部野生酵母を使用)を使い発酵を進めます。
ステンレスタンクで一定の低い温度(14~17℃)発酵させた4種類、オーク樽(フレンチオーク、アメリカンオーク両方)で発酵された3種類のワインと全てバッカスのワインをフレンドした、複雑な味わいのワインです。

〇 マンダリンオリエンタルホテル 野坂昭彦(のさか・あきひこ)ソムリエ コメント

・非常にトロピカルな香りでアロマティック
・ネクタリン/レモン/フィンガーライウ/カルダモン/エルダーフラワー等
・アタックはライトでエアリー、酸がしっかりしていてミネラルも感じられる
・野菜の苦みと好相性 初夏や夏に合うイメージのワイン
・太刀魚の柑橘系ソース、タイ料理やベトナム料理などアジア料理とも合わせられそう

英国大使館でのセミナーの様子です。

 

終了後 バルフォア取り扱い飲食店 浜松町 岩桧葉様にて