生産者来日レポート 24年10月 ドナート・ダンジェロ / event / By sommelier-user ドナート・ダンジェロ DONATO D’ANGELO イタリア・バジリカータ州 ポテンツァ県 リオネーロ・イン・ヴルトゥレ 「南のバローロ」と呼ばれる、DOC「アリアニコ・デル・ヴルトゥレ」を世界に知らしめた生産者として名高いカーサ・ヴィニコラ・ダンジェロの醸造家、ドナート・ダンジェロ氏が、実家のワイナリーから独立し、自身の理想とするワインを造る為、妻であるフィロメナ・ルッピと2001年に新たに設立したワイナリー。 クラシカルな造りで、長期熟成のポテンシャルを持つ高品質なワインが高く評価されています。 アリアニコ・デル・ヴルトゥレの最も伝統的な地域である、ヴルトゥレ山周辺、BarileとRipacandida、そしてMaschitoのエリアに合計20ヘクタールのブドウ畑を所有します。 「ワインショップ ソムリエ 六本木店」にて ドナート・ダンジェロ氏は創業家からで数えて、3世代目で現在の当主ですが、ダンジェロ氏の娘さんのエルミリアさん(妹)とエミリアーナ(姉)さんご姉妹が、4世代目として素晴らしいワインづくりを継承中です。 今回は妹のエルミリアさんが来日し、ホテルインターコンティネンタル東京ベイにて行われた、イタリアワインの祭典「ボルサヴィーニ」でスペシャルセミナー、テイスティングイベントを実施しました。 ダンジェロの畑は、標高が高いこともあり、かなり寒く、収穫も、10月下旬とイタリアの中でも一番遅い収穫になります。 火山性土壌のもつマグネシウムやカリウム・カルシウム等豊富なミネラル、水はけのよい土壌がワインに凝縮感と高いアルコール、そして複雑味を与えます。 長い熟成とあいまって、10年以上の熟成に耐える素晴らしいワインとなります。 ダンジェロが、ワインづくりにおいて大事にしているのは「畑」 アリアニコという品種を育てるうえで、アリアニコの特性に合った畑、区画、標高、土壌に細心の注意をはらっています。 今回ご紹介するワインは3種類 そのすべてがイタリアで権威のある、ガンベロ・ロッソ誌で最高得点の3つ星「トレ・ビッキエーリ」を獲得しています! ① カリチェ 2021年(DOCアリアニコ・デル・ヴルトゥレ) アリアニコ100% 参考上代:3,710円 畑は標高500mの火山性の土壌に開かれており、南部のバジリカータ州であっても昼夜の寒暖差が大きく、ブドウはゆっくり完熟してゆく。収穫は10月最終週に行う。 収穫したブドウを破砕し醸しを行い、10日間ほどコンクリートタンクで発酵させる。その後樽に移し6か月熟成させる。 ② アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・ドナート・ダンジェロ(DOCアリアニコ・デル・ヴルトゥレ) アリアニコ100% 参考上代:7,570円 ドナート・ダンジェロが2000年から造る自らの名を冠した自信作で、2003年初リリース。 樹齢40~50年のアリアニコを使用。 収穫は10月の終わり。ブドウは徐梗され、破砕後に醸しを行い、そのまま自然にコンクリートタンク内でアルコール発酵させる。発酵が終わると樽へ移し、最低でも18か月熟成させる。 ③ バルコナーラ ドナート・ダンジェロ 2017年 (IGTバジリカータ) アリアニコ50%、カベルネ・ソーヴィニョン50% 参考上代:6,280円 バジリカータ州では珍しい、カベルネソーヴィニヨンを50%ブレンド。(そのため、原産地呼称はIGTバジリカータになります。) 畑は標高およそ500mの火山性土壌。2種類のブドウは、 完熟するタイミングが異なるので、別々に収穫され、ワイン造りが進められる。 ブレンドされた後、50ヘクトリットルの大樽へ移し最低でも15か月熟成させる。 「ボルサヴィーニ」でセミナーを行うエルミニアさん 今回ご紹介した、3つのワイン テイスティングイベントの様子