Monsieur Vincent Millet from
Ch.Calon Segur/Ch.Le Prieure and Ch.Vray Croix de Gay
「カロン・セギュールと、偉大な3つの右岸シャトー」
シャトー・カロン・セギュールは サン・テステフ村最北端の、メドック3級格付けシャトーです。
18世紀当時、ラフィットやラトゥールなど著名なシャトーを多数所有しつつもセギュール侯爵は、この畑をこよなく愛していました。
その時の言葉、「われラフィットやラトゥールをつくりしが、わが心カロンにあり」はあまりにも有名です。
セギュール侯爵のこの名言で、それにちなんで侯爵の名前とハートマークが、このワインに付けられました。
当時から1級シャトーにも劣らない魅力的なワインを造り出していましたが、
その伝統は現在まで受け継がれ、2012年にフランスの保険企業グループ「クレディ・ミュチュエル・アルケア」の傘下に入った後、ヴァンサン・ミレ氏が率いる醸造チームによって、高い品質を維持しています。
今回、その醸造責任者のヴァンサン・ミレ氏が株式会社ソムリエに来社、
「ワインショップ ソムリエ」, 和牛懐石「六花~rikka~」にご訪問いただきました。
Monsieur Vincent Millet 氏
シャトー・カロン・セギュールを所有するフランスの保険企業グループ「クレディ・ミュチュエル・アルケア」(Credit Mutuel Arkea)傘下の「スラヴニール」社(SURAVENIR)は、シャトー・ラトゥールを所有するピノー家の「アルテミス・ドメーヌ」がボルドー右岸で展開していた3つの名門シャトー
「シャトー・ル・プリューレ」(サンテミリオン)
「シャトー・シオラック」(ラランド・ポムロール)
「シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ」(ポムロール)
を同じく傘下に収めており、こちらの醸造に関しても、現在はヴァンサン・ミレ氏の醸造チームが手掛けています。
当日はミレ氏が携わるシャトー・カロン・セギュールをはじめとする8種類のキュヴェについてご解説いただきました。
◆カロンセギュール (メドック3級 サンテステフ)
-CALON SEGUR 2015
-MARQUIS DE CALON SEGUR 2020
シャトー・カロン・セギュールには粘土質土壌が非常に多く、果実に新鮮さを与えます。
カロン・セギュールにとって、果実にフレッシュさがあることはとても重要なことです。
カロン・セギュールには、75個の発酵タンクがありそれぞれのタンクは畑の区画ごとに使用されます。カロン・セギュールは約55ヘクタールの畑を所有し、それは約60ほどの区画に区分されています。タンクを分けることで、適切な時期にブドウを収穫し醸造を進めることが可能となります。ファーストラベルには80~90%のカベルネと残りのほとんどはメルロ、セカンドワインのマルキ・ド・カロン・セギュールではカベルネとメルロがほぼ50%ずつ使われています。
◆シャトー・カプベルン(メドック ブルジョワ級 サンテステフ)
-CAPBERN 2017
シャトー・カロン・セギュールの近くにはシャトー・カプベルンという37ヘクタールのドメーヌがあり、メルロ50%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%で造られています。シャトー・カプベルンは、シャトー・メイネイとフェラン・セギュールの間に位置しますが、土壌が全く異なる性質となります。シャトー・カロン・セギュールでは、土壌に粘土質と砂利粘土が多い。シャトー・カプベルンでは、日当たりの良い粘土質の土壌です。ですから、それぞれの特徴やスタイルは大きく異なります。しかし、私たちは同じ哲学のもとワイン造りを行ってます。私たちは同じ精度で仕事をしており、テロワールを尊重しています。
◆シャトー・ル・プリューレ(サンテミリオン・グラン・クリュ)
-CHATEAU LE PRIEURE 2015
-DELICE DU PRIEURE 2020
2020年以降、右岸に新たな区画が誕生することになりました。カロン・セギュールのオーナーが、右岸にある非常に小さな土地を購入することを決めたのです。サン・テミリオンにあるシャトー・ル・プリューレです。
シャトー・ル・プリューレは6ヘクタールの小さな土地です。しかし、周りを見渡すと、素晴らしいシャトーの数々に囲まれています。シャトー・トロット・ヴィエイユ、シャトー・トロロン・モンド、シャトー・パヴィ・マッカンなどです。
サンテミリオンの土壌には石灰岩が豊富に存在します。石灰岩は私たちにとって非常に興味深いもので、ワインに非常にフレッシュで、輝かしいエネルギーを与えます。そして私たちはこのフレッシュさを保ちたいのです。
シャトー・ル・プリューレにはセカンドワインとしてデリス・ドゥ・プリューレがあります。
ファーストワインは90%くらいがメルローで、10%くらいがカベルネ・フラン、そしてセカンドラベルは、カベルネ・フランが25%ほど多く、残りはメルロです。
エレガントでエキサイティングなワインで、数年後にはとても飲みやすくなる。そしてファーストワインはより複雑で、よりフレッシュで、このワインの素晴らしいポテンシャルを感じるでしょう。10~15年待ってから飲むことがおすすめです。
◆シャトー・シオラック
-SIAURAC 2018
-PLAISIR DE SIAURAC – 2019
我々はサンテミリオンにもシャトーを所有する幸運に恵まれましたが、加えてラランド・ポムロールとポムロールにも2つのシャトーを所有しています。ラランド・ポムロールでは、現在シャトー・シオラックという偉大なシャトーを有しています。48ヘクタールの畑にはメルロ、カベルネフラン、そしてマルベックが栽培されています。マルベックは、シャトー・シオラックのブレンドにおいて非常に興味深い品種です。
現在では総生産量の50%をファーストワインのシャトー・シオラック、残りの50%をセカンドワインのル・プレジール・ド・シオラックとして出荷しています。
同じグループのシャトー・ル・プリューレやシャトー・カロン・セギュールとは、テロワールもアッサンブラージュも全く異なつため、ワインを造るときには、よりエレガントで、よりフルーティー、親しみやすいスタイルに仕上げます。
ファーストワインとセカンドワインの選別には、テロワールが表現されているかを基準とします。セカンドワインには主に若木のメルロとカベルネフランを使用します。セカンドワインの樽貯蔵は非常に短く、10ヶ月ほどで、ファーストワインの樽貯蔵はより長くなり、18ヶ月ほどです。
◆シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ
-VRAY CROIX DE GAY 2012
シャトー・シオラックからわずか5kmほど離れた位置、偉大なるポムロールのアペラシオンに、シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイは位置します。このシャトーはポムロールの偉大な台地に位置しており、主に2つの区画を有しています。合わせて約3.6haという非常に小さなドメーヌですが、それぞれの区画にとても興味深い特徴があります。
片方の区画は、シャトー・ラフルール、シャトー・ペトリュス、シャトー・ヴュー・セルタン、シャトー・オザンナの近くという最高の立地に位置します。もう一方の区画は、シャトー・トロタノワ、シャトー・ラフルール・ペトリュス、シャトー・ル・パンの近くです。 私たちの畑はポムロールの最高の台地にあり、この場所に小さなドメーヌを持っていることをとてもとても誇りに思っています。
シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイは非常に生産量が限られており、強い自信をもってワインは造られています。一般的に90%から100%がメルロで造られ、ヴィンテージの特徴やブドウの品質によってセカンドワインを製造するか決定します。これは気候にも大きく影響されます。
現在、セラーを改修・増築するプロジェクトが進行中で、近い将来には新しい設備が導入される予定です。これによって、現在はシャトー・シオラックの醸造施設で行われている醸造と熟成・貯蔵をシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ独自のセラーで行えるようになる予定です。これによってますますの品質向上が期待できるでしょう。我々は新しいセラーの完成を非常に待ち遠しく思います。
ワインショップ ソムリエの六本木店にてセラーマスター江畑と
和牛懐石「六花~rikka~」にて総料理長 佐藤、総支配人 桑原と
ワインショップ ソムリエの六本木店と和牛懐石「六花~rikka~」も訪問されたミレ氏は、ワインセラーのラインナップと保管状況に太鼓判を押しておりました。
また、六花の和牛懐石コースメニューも実際にご体感いただき、カロン・セギュールとのマリアージュも
「まさに繊細な和牛にマリアージュするワイン」と絶賛いただきました。
ヴァンサン・ミレ氏によるシャトー解説動画
近日公開